ビットコイン

  

 貨幣の実体のない貨幣というものがある。 平安時代に使われた「准絹法」がそうである。 物の値段を測るのに「准絹○反」という単位を使うのだが、これに絹の実体があるわけではない。
 現代にもこのようなものがある。 実体がないので「仮想通貨」と呼ばれていたが、最近では「暗号資産」と呼ばれている。 その代表が「ビットコイン(BTC)」である。

 2008年に、サトシ・ナカモト(中本哲史)と名乗る匿名の人物がインターネット上に発表した論文が、理論的な起源である。
 2009年に、最初の具体的な暗号資産「BTC」が誕生したが、まだ通貨としての価値が認められている状況ではなかった。
 2010年に、フロリダ州のあるプログラマーがピザ2枚を1万BTC購入するという出来事があった。 この時の価格は1BTC=約0.2円で、これがビットコインを使った初めての実用的な決済とされている。
 2011年ころから、世界中の雑誌やニュースで取り上げられることがあり、1BTCが2000円を越えることもあった。
 しかしこのころから多額の窃盗事件が発生することがあり、人気とともに危険性も上昇した。
 2017年ころから、各国で法整備が進み、大手金融機関や機関投資家が市場に参入したため、暗号資産の価格が急騰。
 2021年、エルサルバドルが第2の法定通貨と定めるなど、公的に使うこともできはじめた。
 2024年、トランプ大統領が大統領選挙で仮想通貨の恩恵を受けたことなどから、米国などで大量の資金が投入され、1BTCは一時1800万円を越えた。 15年前に最初に値がついたときの1億倍である。
 このように、順調に伸びているようだが、これまで何度か取引所がハッキングされることもあり、価格はしばしば乱高下している。
 また、当初はBTCだけだった暗号資産も、現在ではイーサリアム(ETH)など1000銘柄近い暗号資産がある。

  

 現実的な担保がなく、政府や大銀行が価値を保証している訳でもない。 しかし、安全だと開発者は説く。 解説書を読んでも、「ブロックチェーン」、「マイニング」、「トークン」など、難解な用語がつづき、素人には理解しがたいものである。 しかし、世の中で使われ始めている。 2025年11月現在、世界の暗号資産の総額は約470兆円、そのうちBTCは58%を占めている。

 2025.11.23